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2016/02/15

(追加編小話)☆18 天文航法

☆18 天文航法

 地文航法が平面を航走することを想定しているのに対して、天文航法は球面の世界を想定している航法である。 この場合、太陽や星が動いて見える天動説で考える方が便利なため、約24時間で一周してくる天球の位置を測って自船の位置を求める。 ある天体を同じ角度で見られる場所は、地球表面では一つの円周上にあるため、基本的に2つの天体を測る。
 必要な道具は、正確な時計(クロノメーター)と六分儀(セクスタント)で、時計の発明がなければ、大航海時代もなかっただろう。 また、角度を測るためには水平線が見えていなければならないので、その方向に霧や雲があって、水平線が見えない場合などは測れない。 しかし、太平洋のど真ん中で1km程度の誤差で位置が判るのだから、GPSのない時代では、画期的な方法だったのだ。 でも、もう一つ問題がある。 時間と距離を角度に直し、総てを計算するためには球面三角法という、七面倒臭い計算をする。 sin、cosの掛け算、割り算などをするので、天測計算表という変換表を使い、一度logに変換して答えを出し、また真数に変換し直すといった作業である。
 日没後の星が現れた頃、または暁から水平線がうっすらと見えるようになった頃、六分儀を構えて空を睨む。 この時ばかりは、星空の神話を忘れ、現実に戻される瞬間でもある。 4~5個の星を選んで測り、ものの15分程度で位置が判る。 最後に測った場所から15分も先に進んでるじゃないか! もうその位置情報は古いなんて突っ込みは止めてくださいね。 あと何時間経っても陸地の見えない場所にいるんですからね。

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