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2016/02/15

(追加編小話)☆23 シーチェスト

 バラスト水やエンジンの冷却用に使う海水の取り入れ口は、船底の凹んだ所にあり、船の内部から見るとぼっこり四角い箱のように見えます。 その形はチェスト(衣装箱)にそっくりなので、ここの部分をシーチェストと呼んでいます。 ここに船底弁がついて、パイプを通してバラストポンプを通してタンクに水を送ったり、冷却水ポンプでエンジンその他を冷やしたりしています。 当然ここも海洋生物がつきますので、特に電気を流し、海水から電気分解で塩素イオンを作り、次亜塩素酸ナトリウムを生成させて、パイプの中に海洋生物が付かないようにしています。 次亜塩素酸はプールに行った時など、カルキ臭いと言われるあの塩素消毒の匂いの元です。 だから殺菌力は高く、シーチェストから取り込まれた海水管内部は、綺麗に保つことが出来ます。
 シーチェストの外側は、船体外板の形状に沿って、直径2~3cmの穴がいくつも空いた蓋がかぶせられていて、水の流れはそれに沿って流れていくため、渦などは出来ないようにしていますが、この蓋の穴は水流が早く、海洋生物を付かせない防汚塗料の効果が長続きしないため、海洋生物が張り付きます。 防汚塗料を塗って半年ぐらいで、びっしりとカラス貝(フランス料理に出て来るムール貝もこの仲間)が付き、ポンプが効かなくなることもあります。 そんなときはドックに入れるか、ダイバーを潜らせて掃除しますが、何にしてもやっかいです。
 カラス貝やフジツボの他、牡蠣も浅海の環境で育ちます。 すくすく育って3年もすると、身はふっくらとなりますが、船のドックは長くて2年半、早ければ1年以内の間隔で入りますので、フジツボは育っても、牡蠣はなかなか食べられるような大きさに育つ時間がないですね。 惜しい。

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