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2016/02/15

(追加編小話)☆24 錨

 錨というと、色々なマークに使われているJIS型、下向き矢印の先端が丸くなった形を思い浮かべますね。 昔はあの錨の上部にストック(横に伸びた棒)があり、直角に飛び出ていましたから、海底で錨を引きずろうとすると、棒が海底に当たり、必然的に片方の爪が直角に海底に刺さるような構造となっていました。 それだと、錨を引き上げてきて船に載せて固定する時、ストックが邪魔になるので、取っ払ってしまって、引込み固定できるようになりました。 それが 今のJIS型錨(ストックレスアンカー)となって、広く普及しています。 ところが、このJIS型錨は、大きな欠点があり、錨を引っ張ると、確かに海底の砂などに爪を食い込ませるのですが、少し引きずると、爪がくるっと回って上を向き、まるで錨の爪が海底の砂の上でサーフィンしているように浮かび、安定してしまうのです。 この姿勢になると、錨は鉄の球と同じで、錨が止まることはないのですね。 1954年函館沖で、1155名の犠牲者を出した洞爺丸の海難事故は、この錨で船の動きを止められなかったことが事故の一因とされています。 まさに錨が怒りを呼ぶ、AnchorがAngerに変わった出来事でした。
 現在は改良されたAC-14型やもっと進んだDA-1型が出てきていますが、鋳型に流し込んで簡単に安くできるJIS型が造船所の圧倒的な標準仕様となっていて、なかなか普及が進んでいないのが現状です。 また、船を知り抜いた海運会社が造船所に注文するのではなく、船の売買を目的とし、安く船を作らせるブローカーによる発注が多いのも一因かと思う。
 色々なところで海の象徴として表される「錨」、でも、船の安全を守る最後のストッパーでもある。 ♪飾りじゃないのよ、錨は~HAHAN~♪

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