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2016/02/15

(追加編小話)☆12 船底

 よく、潜っていて船の底に体が張り付くと離れられないと言うが、あれは張り付いた部分からは圧力を受けないので、他の体の表面にかかる水圧で、体が押しつけられるためである。
 子供の頃、遊びで潜って船の下をくぐり抜けたりしたが、結構危険なことであった。 その昔、船の刑罰としての船底くぐりがあったようだ。 艦長(船長)のもと、告発された人の罪の有無を判断し、軽い刑罰から死刑まで自由に決めていた。 くちごたえも不服従の罪に問われ鞭打ち刑となった用である。
 船底くぐりはヤーダム(帆桁の端部)に吊される死刑と中間の位置づけで、体をロープで縛って無理矢理くぐらせ、時として生き残る事が出来たが、船底にこびり付いたフジツボで体を擦られ、体中無惨な状態になった言う。 
 このフジツボは世界中に分布しており、比較的水深の浅い場所に所構わず発生する。 フジツボが船体に張り付くと、途端に船の速度が落ち、燃料も沢山必要なので、船は毎年のようにドックに入り、船底のフジツボ、海藻を削り落として、ペンキを塗り、海藻やフジツボ、カラス貝などの海洋生物が付かないようにしている。 帆船時代も銅板を張って海洋生物の付着を防ぎ、近年はTPT(トリフェニル錫)など強力な毒性を保つ塗料が塗られたりしたが、海洋汚染のため禁止され、毒性はあまりないが、水に少しずつ溶け出して、付着の足がかりを作らせない塗料(俗にウナギ塗料)とか、シリコン系の付着しにくい塗料を塗っている。 海に優しく、地球に優しい、塗る人にも優しい環境になっています。
 ただし、この船底塗料はべらぼうに高いので、船会社には厳しい環境です。

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