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2016/02/15

(追加編小話)☆16 コンパス

 コンパスと言っても、丸を描く道具ではなく、北の方角を指す道具が必ず船に積んである。 コンパスには2種類あり、一つは磁北(地球にある磁石の北極)を指すマグネットコンパスで、もう一つは北極を指すジャイロコンパスである。
 マグネットコンパスは丸い容器の中に磁石を浮かばせて、N極が地球の磁北(実はS極)に向く原理を使っていて、現在の磁北は日本から見て少し西にづれていますが、概ね北を向くので、便利ではあります。
 しかしながら、昔の木造帆船と違って、現代の船は鉄で出来ていますから、船の持つ磁力に影響されやすく、全く違う方向をコンパスが指し示すことがあります。 その影響をキャンセルするために、コンパスの周りには、左右の鉄球やら、コンパスの下に磁石を入れて磁北との差(磁差)を修正します。 修正しやすくするために、必ず、船の中央にコンパスが設置してあり、船の鉄部分から遠ざけています。 それでも、修正するために、実際に船の向きを東西南北、そのまた45゜変えた方向に移動させて修正します。 慣れた人なら2~3時間で磁差修正しますが、その間に船は1080度、三回りほど回ります。 永久磁石の成分、鉄材の配置の一時的影響など、分析と計算もややこしいのですが、空母の場合、特に片側に寄っていますので、鉄骨材の配置は左右非対称、艦載機の有無で地磁気は目茶苦茶に荒らされるので、磁気コンパスの修正なんか不可能に近いと思っている。
 その点ジャイロコンパスは、コマの働きと重力によって、地軸に回転軸を合わせるように動くので、数時間もすれば真っ直ぐ北を指すようになる。 今は米国のスペリー式のジャイロコンパスが主流であるが、私的には、独で生まれた、ジャイロ2個を球の中に収め、水銀の上に浮かべるアンシュッツ型が美しく、好きである。

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