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2016/02/15

(追加編小話)☆21 泡

 渦と同じように、泡の発生も嫌われる。 プロペラを高速で回すと圧力の低くなった部分の、プロペラ表面、ボス部(軸の中央部)、翼端から気泡が発生する。 プロペラのボス部や翼端からは、ひも状に後ろに延びていく。 いずれもキャビテーションの一種で、プロペラの推進力にロスが発生している証拠といえる。 プロペラボスには、小さなフィンをつけることで2~3%前後の推進力の回復を見込めますが、翼端からのキャビテーションは、基本的にはプロペラの形状を変えるか、回転速度を下げるしかない。
 キャビテーションはポンプ類にも発生しやすく、小さな気泡の発生と消滅の衝撃波で、プロペラ表面にエロージョンが発生して、表面が虫食い状態になることがよくあります。 船では海水ポンプをよく使い、砂を吸い込んだりすることもありますが、使用頻度が高いポンプではキャビテーションの発生により、数年で穴が空き、使い物にならなくなります。
 このように嫌われる泡ですが、近年では泡を逆に利用しようという研究も進んでいて、船底に空気を送り込み、船底から細かなマイクロバブルの気泡を発生させて、船の外板と海水との間を泡の膜で覆い、海水との摩擦抵抗を減らして、燃料を節約しようという方式が考案されています。 簡単に言えば、円板のパックを下から空気で浮かせて相手のゴールに打ち込む、エアホッケーのゲームを海の中に持ち込んだようなもの。
 問題は、泡を発生させるための消費エネルギー量と、抵抗が少なくなってプラスになるエネルギー量とが、どう吊りあうか?である。 

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