« (追加編小話)☆2 奴隷船 | トップページ | (追加編小話)☆4 おもて »

2015/10/12

(追加編小話)☆3 ガレー船

 帆走技術が発達していなかった頃、船は主に手で漕いでいたガレー船と言われる軍艦や商船が地中海沿岸に多く存在した。 特に戦争となると、無風状態でも動き回れる船が有利で、船の先端の海面下にある衝角(しょうかく)という尖った角で、相手船の船腹に突っ込んで孔を空け、船を沈める戦法が多く取られたのである。
その櫂を漕ぐのは奴隷であり、戦争で捕虜になった者や、他の国から略奪してきた男達である。 もちろん、時には戦っている相手の船が自分の国の船であっても、戦いに負けて船を沈められると、船に足かせと鎖で繋がれた奴隷は、船と一緒に沈むことになるので、生き残るために必死で漕いだそうだ。 更には、力を入れて漕いでいるかどうかは背中から見れば筋肉の張り方で判るので、鞭も跳ぶことになる。
風のない時には威力を発揮し、追い風の時には帆を上げて帆走することもできる船であるが、一番の難点は、奴隷に配る水と食料であった。 そのため、遠方への遠征行動は困難で、次第に大砲を備えた帆走船に取って代わられることになる。 
それでも第一次世界大戦の時まで衝角は多くの軍艦に備え付けられ、敵船に突っ込む戦法が残った。 現在、似たような構造が多くの船に見受けられるが、これはバルバスバウ(泡の形)といって丸く、船の先端での造波抵抗を減らし、速度を上げるためのものである。
世の中丸くなってきていますネ。

|

« (追加編小話)☆2 奴隷船 | トップページ | (追加編小話)☆4 おもて »

船って何だろう」カテゴリの記事

船の昔話」カテゴリの記事