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2015/10/12

(追加編小話)☆5 帆船の切り上がり

 三国志に出て来る軍艦は、どうも時代背景から平底の船らしく、風上への切り上がり性能が悪いようです。 切り上がりというのは、風に向かって斜めに上がって行くことで、現代のヨットでは45°以上、風上に切り上がる性能も珍しくないですが、紀元二・三世紀の船では、それが望めそうな船型に見えない。
帆船の風雨状への切り上がりには、二つの要素がある。 一つは、直接風を受ける帆には、帆の面に対し直角方向に力が発生し、風の向きとは一致しない。 もう一つは、船は横方向よりも、前後方向への動きが滑らかなこと。 風の力は帆によって向きを変えられ、その力が、船を斜め前方向に押すので、結果的に風上に切り上がるのです。
ギリギリの角度まで切り上がって航走している時に、更に風上側に向けて舵を操作すると、帆からの推進力はなくなりますが、そのまま惰性で進行方向が風の反対側まで回ると、新しい帆の向きでまた風上側に切り上がって進むことが出来ます。 この進行方向を変える一連の動作を「上手回し」(タッキング)と言い、船の速度が上がっていない時に無理に行うと、ちょくちょく失敗します。 失敗しても風下に船が流され、速度もなくなるだけですが、風下側に暗礁とか岩などの障害物があった場合、船は沈没し、乗組員は、Oh!サンタマリア!

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