« 2014年5月 | トップページ | 2014年7月 »

2014/06/28

昔話 102 ロープワーク


船も長い航海中に、風雨太陽に晒されて、船体も帆も索具も随分傷みます。特に常時他の物と接触している索具は擦り切れてきますので、防護策として、こすれる場所に当て物などをします。
この他、海水が染み込んで錆びてきたワイヤー、陽の光で劣化したロープなど、悪くなった物は取り替えるのですが、海の上に工場などないので、手作業で交換部品を作ります。

鉄製のワイヤーは必要な長さに切断、両端をアイ加工(輪っかにする)しますが、ワイヤーを切断した1本1本の針金が表面に出てきて、手足に刺さるため、マーリンという油脂を含んだ糸でぐるぐると巻いていきます。
手がギトギトになり、石けんで手を洗ってもなかなかにおいが取れない。 この作業を昼食直前にやったから、一善一善、美味しい?臭いをかみしめることになった。

油のしっかり付いたワイヤーは、折り曲げのないヤード(帆桁)のフットロープ(足綱)や、セイルに使われ、落下防止のバックロープは、帆布でワイヤを包み込み服に油が付かないようにして使われています。
それに対して、普通の繊維で出来たロープは柔軟性があり、手で扱うところを総てカバーしています。 ロープは柔らかいため、たまに切れることがあり、特にシュラウド(横静索:マストの後両側の何本もの縦索)に張られているラットリンは、千切れる物と覚悟して脚をかけ、マストを上ります。

今航海も2・3人が登艢中に切れたと言って、修理するまでは1段とばしで上っていきました。
ロープの修理には、スパイキという超巨大な爪楊枝みたいなものを使い、ロープのストランド(撚り)の間に差し込んで隙間を作り、そこにもう一方のストランドを刺して、ロープをつないでいきます。
ロープの端部に丸い輪っかを作るのもこの要領です。
手の空いた時間には、ロープの結び方を習います。

有名なのは「もやい結び(ボーラインノット)」、
1. ロープの片端を持って力を掛けるところにロープを掛ける、
2. ロープの短い端を、長い方に交差させて、一度軽く結ぶ、
3. 短い端を強く引っ張ると長い方のロープが平仮名の「す」のようになる
4. 「す」の穴からロープの短い端が出ている状態なので、上から出ていれば下、下なら上に、短い端をもってゆく
5. そのまま長い方の下(上)を交差して、「す」の穴に戻すようにする。
6. 短い端をギュッと引っ張って結び固めたらもやい結びの出来上がりである。

結びをほどく時は、最後に通した短い端がUターンしている形で、そこを押すと「す」の穴が緩み、簡単に解ける。
1回生の時に授業で習っているので、5回生になっての復習というわけです。

何人かは忘れていたのでしょうが、これでもう完璧!  とは言っても、普段の日常生活ではほとんど必要のない技術です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014/06/17

昔話 101 セイルワーク

針路を西にとってまだ重要な寄港地もあるが、帆船に乗船して4ヶ月、かなり慣れてきて緊張感が薄らいできている。それに士官の怒鳴り声も少なくなってきた。
朝夕のスターサイト(星測)、モーニングサイト(太陽測)を苦もなくこなすようになってきたし、パナマ辺りで一旦北側に仰ぎみていた太陽を南側に見る様になると、精神的にはホッとする。

ただ、まだまだ暑いし、裸足で歩くデッキは、チークの板目を選び、極力タールの上を踏まないようにしないと熱い。
この日の課業は教室ではなく、デッキの上。白い帆布が並べられ、重なった部分を縫っていく作業である。

右手親指の根本に、皮に指貫の大型判の様な凹みのある金具をつけたものをはめ、長さ10cm太さ3mmの針を持ち、グイと帆布に刺しては、掌の金具で針の尻を押して縫っていく。
糸の太さも2mmほどあり、そのままでは、抵抗が強すぎて糸の通りが悪いので、何回かワックスに糸をこすりつけて染み込ませている。
力は要るし、一針で1cmも進まないので、縫い上げるにはかなりの労力が要る。 縫い始めはちょっと不揃いだが、10針も刺すと少し慣れてくる。

暫くすると、足首のくるぶしが傷むので、タオルを下に敷く、船の向きで日陰になったり、日差しに晒されたり。汗はタラタラと流れ、目に浸みる。
そして口と耳はふさがっていないので、他愛もない雑談が始まる。 でも、あまり長く続かない。 やはり手元の作業が気になるのか。この辺に男女の差が出るんでしょうね。

縫い合わせた帆布のエッジは袋縫いにされ、その筒の中をワイヤーロープが通る。 帆の大きさ、風の強さにもよるが、帆が受ける力はトン単位にもなるので、これぐらいの強度が必要なのだ。
出来あがったセイル(帆)は格納庫行き。

冬の航海は風も波飛沫も荒いと聞く。 私の縫い方が悪くて帆が裂けなければいいが、、、たぶん大丈夫でしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014/06/07

昔話 100 クリストバル

メキシコ湾はまだ西の方にひろがっているが、ここクリストバルは北大西洋の西の玄関口。北から太陽の熱線を帆に受け、焼けるような午後、港に到着した。
時間調節のためか、順番待ちのためか、はたまた夜間航行では、危険なのか学生が見学する機会がないからなのか判らないが、運河の通行は翌朝とのこと。つまり、上陸できると言うことであるが、皆の表情を見るとなぜか疲れた顔で、意気込んでいる顔は少ない。
やはり、皆さんニューヨークで遊び疲れ、ここでの元気が残っていないのか? 夜の町に出かける人は疎らだった。次の寄港地は遙か遠くの常夏の島だから、と思って見ても、なかなか脚が動かない。
結局、岸壁周りのコンクリートを踏みしめるだけにとどまった。 聞けば、理由は私と同じ、皆さんお金があまり残っていなかったのだ。
夕食後の自由時間は、ぼけーっと過ごし、帰船してきた仲間たちと大西洋最後の夜を乾杯してボンク(寝床)に入った。
翌朝、朝食も食べきらないうちに総員配置がかかり、閘門の中に入っていく。 3段の閘門を一気に駆け上った時には、壮大なガツン湖と再会したことを喜んだ。 船がゆっくり前に進んで行く、大自然が生んだ地形とはいえ、不思議なものである。
大地をかき集めて大陸が出来、それをつなぐ細い陸路に凹みがあって、まるで和菓子職人がこねた菓子を二つに引っ張って、千切れかかった細い部分に指を入れてへこませているようなものだから、全く持って不思議な地形である。
そんな事を思い浮かべていると、大西洋との別れをきっちりしてこなかったことを思い出した。 卒業しても、ここにこれるかどうか判らないのに、この経験をしっかりと胸に刻んでおきたかったなぁ。
船はまた、狭い隘路に入り、ゲイラーズカットからミラフローレンスへと進んで、とうとう太平洋に出てしまった。
パナマ運河を渡りきってみると、思わず帰ってきたなと感じる、「太平洋さん、こんにちは」と挨拶したくなった。
ここから日本までは地球四分の一周あるが、既に帰宅モード。 大西洋にいたのは1ヶ月ちょっとであるが、潮風も心なしか懐かしい薫りがする。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014/06/03

漏らしちゃった!

土曜日のこと
ちょいと早めに、バイクにまたがり、高速へ向かう。
7時前には海老名パーキングエリアにはいる。
まずは目当てのメロンパン!1個200円ちょいの値段で6個購入。 だが、それようにはバックシートが出来ていないので、無理矢理くくりつけ、ロープで留める。 次回までには考え物だな?
そのまま、第二東名に入って、新富士で降りる。
天気は良いし、今日も素晴らしい練習日和になるなぁ、と思っていた。

ところが、交差点で停車した時、凄く匂うのである。ガソリン臭がする。
タンクの下を覗くと、わぉ、ガソリンがピトピト漏れている。 どうだろう?1~2L㍑/時ぐらいだろうか?
漏れている燃料コックを少しいじっても、漏れの量はそれほど変わらない。ちょっとコックを押し込んだら、漏れのスピードが遅くなった。

555
559

こんな状態では、朝霧高原まで行って、練習するのは無理と判断、とりあえず、携帯で予約のキャンセルをした。 携帯電話って、便利だと思ったね。  さて、これからどうするか、、、判断に迷うところである。 こんな遠くまで来て、修理屋を呼ぶのも、また、修理に出すのも、スケジュールや交通手段等を考えるとかなりキツイ話である。
ここは一気に家の近くまで走って戻り、バイク屋さんに持ち込むのが一番!
もし、漏れが酷くなって、大量に漏れ、もし熱い排気管で引火したら、大火事になる。 幸いなことに排気管とは反対側に燃料コックがあるので、この気温の暖かさと距離を考えて、十分以上に勝算はあると思った。
きっと心配するから、家には電話せずに、走ろう。

タンクからの漏れ量は時間比例し、気化する量は空気の流量に比例、拡散も同じだ! つまり高速で走った方が、空気中のガソリン濃度は下がるから、爆発限界の下限値数%の濃度より遙かに下がるだろう。 危険なのは信号等で停止した時だ。 そうは言っても、ノンストップというわけにはいかない。 タンクの残量を見て、途中で止まってしまう事態を避けたかった。 足柄SAで5Lほど給油すれば、家までは燃料は十分にあるだろうし、トイレにも立ち寄った。
足柄までと、横浜出口までと燃料の残分を心配しながら、ぶっ飛ばす。 ただし途中で、バックミラーに赤いパトライトの輝きを見た時は速度を落としましたね。

横浜出口をETCで抜けた時は、ほんと一安心。 ここまで来れば、後はなんとかなる。
家に着いて、簡単に報告。 家内は目を白黒させていましたが、無事なので、何も言わなかったが、細かい状態を言ったらどやされていたでしょうね。 すぐバイク屋さんへ持って行き、修理をお願いした。
ガソリンは? まだ、3/4ほど残っておりましたが、燃費から考えると、1L以上空中散布したことになる。

そんなドタバタでしたが、戦利品が一つだけある。
そう、海老名のメロンパンである。 行き帰りの高速代、燃料代を考えると 1個あたり千円になる計算?
しっとりとして、美味しいメロンパンでした。

ははは、

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2014年5月 | トップページ | 2014年7月 »