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2014/04/18

昔話 98 教室での食事

昨日は弱い風だったのが、夜のうちに強まったのか、甲板が5゜以上傾くほどになっている。
ハリケーンは避けて通りたいのだが、7月の中旬ともなれば、メキシコ湾内でポコポコ発生する。 ただし、発生直後はそれほど、風が強くならないので、早めに赤道近くまでなんかすれば帆船にも影響はない。
雲も多く、モーニングサイト(朝の太陽天測)もできない天候。 余裕を持って、7時過ぎに第一教室(兼食堂)の傾いたテーブルで朝食をとる。

テーブルに縁があって、テーブルが傾いても、食器などはそこで止まる構造になっているが、あまり船が傾くと、それも期待できなくなる恐れがある。 そんな理由からか、荒天時の食事は何か手を抜かれた様な気がするのは私だけか?
大きく揺れる時は、汁物がない。安定したお椀でも、こぼれた汁でテーブルが濡れると、スケートリンクのようにお椀が滑り、テーブルの縁に勢いよく当たって悲惨な事になる。
エビフライも皿のなかで踊って、隣の皿に飛んで(Fly)いってしまうことがある。食事のメニューはその辺を考えての臨機応変の業とは思うので我慢、天候の穏やかな時は、確かに手の込んだ食事であるのも事実。
缶詰のミカンと、ネーブルオレンジ1個の差があるほどだ。
さて、航海中と言っても、全員が航海当直に就くわけではなく、半舷(半分)は課業という座学もしくは、実地体験実習がある。

スナッブというホーサー(舫綱)の一部を加工して「房」の様にした物でテーブルを拭き、床は軽く箒で掃いて、朝食後の食堂はきれいな教室に早変わりする。
そこで左右に長いテーブルにノートを広げて士官の講義を受ける。 風下側に足を突っ張り、体は少し斜めに。 士官の字は黒板に合わせて書くので、斜めに読むか体を傾けて読む。

講義が終わって上甲板へ出てみると、デッキ上1m位の高さのところに、太さ2cm半のロープが船首から船尾まで張ってある。 これは、移動する時傾いたデッキで足を滑らし、海に落ちないようにするための安全索。と言うことは、これからまだ船体傾斜がきつくなると言うことか?
冬の航海ではよく張られるというので、寒さと風、雨合羽とサウウェスター(偏西風中での帽子)の隙間に入り込む波飛沫を想像する。考えれば、つくづく夏の航海で良かったなぁと思う。
風は8~10m/secの強い風が吹いている。それでもビューホート風力階級では、これをフレッシュブリーズと呼び、ストロングブリーズより弱い風としている。確かに夏場ではフレッシュだが、防寒服を着込む冬場ではフリーズになるよな。

フレッシュな風を受けて、船速は7~8kt(1ノット=1.85km/時)位に速度を上げている。 更にシート(帆の下端)を張り込んでヤード(帆桁)を回せば、もう1~2kt早くなりそうだが、その分、船の傾斜は増え、作業もやりづらくなるだろう。
船を早く航走らせる方が優先か? それとも、、、きっと安全第一、司厨作業がその次に優先かな?

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