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2014/02/26

社会へ、どう貢献?

26年半前に就航したバージ(艀)であるが、長い就航の末、他社に売られることとなった。
タグボートに曳かれて行く姿は、まるでドナドナの歌を想わせる。
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明日はエンジンの付いたボートも引渡し、これで湾内の一つの営業が終わることになる。

1987年の事だからもう27年昔の事になるが、まだまだ湾内輸送に艀が多く使われる時代、この艀が建造された。
その時、この船5隻の設計から建造監督まで携わったので、売渡にはグッとくる物がある。
27年前の2月は設計を始めていた頃で、船底、貨物艙の構造の打ち合わせを造船所と始め、年度が替わってようやく骨格が固まったような次第。
実際に船体のブロックを作り始めたのは4月も終わる頃であった。
北海道の造船所であったので、1~2月は積雪で思うような工事が進まないが、7月の頃に梅雨はないので、夏場に船を造るのに遅れは生じないと、造船所はアピールしていた。
しかし、梅雨はなくても霧雨状の濃霧等があり、なかなか鉄板の塗装が進まないことが、実際の建造で判った。
そんな状態を知っても、既に注文した後であるので、工期を遅らせないよう塗装させる事にずいぶん気を遣った。
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仕事に気を遣っても、そこは北海道。美味しい物はたくさんある。 ある時は、造船所からの差し入れで、私の監督室に、浜茹でした毛蟹が10杯以上届いた。
毛蟹がこんなに美味しいとは思わなかった。何杯食べても飽きがこない。(まだ夏)。家に送りたいが、クール宅急便なんてない時代、一人で食べるしかなかった。

5隻のバージを同時に作ったのだが、途中でのトラブルや小さな設計変更で、各船とも微妙に違うところがある。
ハッチカバー(貨物艙の蓋)のかみ合いが悪かったり、上手くレールに乗らなかったりで、それらを修正する内に、差が出てくるのだ。
更に27年間のトラブル修理、改造で、くっきりと差が判る。
2年前までに2隻を売却、今回の3隻の国内売却で、我が社の艀は総ていなくなる。寂しい限りである。
売却先でスクラップにせず、艀として運用して頂ければうれしいが、鉄の重量だけで90tあり、スクラップにすれば、それだけでも儲かるはずなので、そうならないことを願っている。

明日はこれらの艀を押して運航していたボートが売却され、海外へ旅立ち、どこかの国で船としての残りの役目を果たすことになっている。
はっきりとは知らないが、たぶん東南アジアで曳きボートとして使われるのであろう。
この船の造船監督は行わなかったが、設計された能力からは、我々の船の使い方よりも別の細かな使い方の方が便利な船なので、有益性は高いと思う。

私はこの会社で、このような業務に携わったが、何を残せたか考えてしまう。
確かに、安く確実安全に品物をお客さんに届けたとは思うが、、、消費者みんなへの影響で、少しは生活が楽になったろうか?
直接、お客さん(消費者)の顔を見る事のない職業で、疑問は残る。
ただ、私自身は、海に触れながらの職業、大変楽しんできたことは否めないが、、ρ゛(^‥^=)~ .. =^_^=

ふと見ると、跳ね上げ橋が上がっている。
一日に1・2度しか開かない橋である、物珍しさに、暫し時を忘れた。
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コメント

別れに際してグッとくるものがあるのは相手が人間とは限りません。
むしろ物言わぬ相手だからこそ、言葉にならぬ思いが湧きあふれることもございます。
国内で用途廃止になったTSなども多くがアジアの海で活躍の場を得ていると聞いたことがあります。
どんな風に使われているのかしら、大切にしてもらってるのかしらなどとふとにけねこまでが思ってしまう。
第2の人生?にエールを送りたい。

投稿: にけねこ | 2014/04/07 06時31分

にけねこ<どうも韓国の釜山で働くようです。
使われ方は少し違いますが、せっかく金と頭を使って出来た船、動けなくなるまで使われて欲しいですね。
桜木町に飾られるよりは、動く方が良いです。

投稿: Samson♪ | 2014/04/09 22時27分

桜木町…
初代進徳丸のように陸に上がっちゃう方がいい?
震災直後の変わり果てた姿に涙も出なかった方々もいらっしゃることと思います。
今はまるでアミューズメントパークの一部みたい。
深江祭、行けたら行きたいです。海事資料館を見学してグランド一周、走りませんけど(笑)。

投稿: にけねこ | 2014/04/17 00時05分

にけねこ<桜木町の日本丸は、水に浮かんではいますが、廻りを囲まれて、動くことが出来ない。
もし、日本丸に心があるなら、動けないのは辛いでしょうね。
私なら、浮かんでいても浮かばれないと思いますわ。
そういえば、Gremzの木が8本目!(#^.^#)

投稿: Samson♪ | 2014/04/17 00時48分

この度韓国で大きな事故が起きました。あの船ももとは日本の船だったそうですね。銀河丸より少し大きめだろうかなどと考えていたら、(私が見たのはⅡ世だと思うのですが)用途廃止になった船のその後に思いが及びました。
動かない日本丸、今は亡きグラウンドの進徳丸…。
何も私なんぞが感傷に浸ることもないのですが。

投稿: にけねこ | 2014/04/21 07時37分

にけねこ<この船の姉妹船「有明丸」も追波で荷崩れを起こし、三重県で横転座州しています。
6200総トンの船で、沈むことは考えにくいですが、沈んでしまいました。
今、私の聞く範囲の情報では、これは人災。
この事態に至る前にやっているはずのことをいくつもやっていない。
船長なら、
①車両は固縛し、確認する、②この海域は船長自ら操船する、③10゚以上の大きな舵はとらせない。④傾斜角度が戻らない場合、総員待避命令を出す。⑤乗客の員数確認、待避行動の指示をもっと早く出す。、、、そして、手の尽くしようがない時まで船の指揮をとり続け、最後に船を離れる。
これが、船長たる資格である。 この船長は、これら総ての義務において何もしていない。
このような素質の船員を船長にした海運会社の責任も免れないと思う。
時々操船能力を持たない韓国人船長を見受けた。船の操船は総ての乗員の命を預かっているのだから、それほど責任も大きく、資質も問われる。
日本では見たことはないが、日本には一人もいないことを願う。

投稿: Samson♪ | 2014/04/22 01時11分

フェリーに限らず、船の安定性に関しては、どの船も気を配る。重心の位置算定は必須条項だし、自分の命もそれにかかっている。
ましてや多くの乗客を乗せている。
亡くなられた方、行方不明の方、家族の方に海運関係者として申し訳なく思う、と共に悲しみでいっぱいです。

投稿: Samson♪ | 2014/04/22 01時16分

前の船名はナミノウエ?
林兼造船所
6825GT
船長145m
船幅22m
のようです。

投稿: Samson | 2014/04/22 10時03分

毎日のようにセウォル号の事故のnewsを聞きます。もとは日本のフェリー、それを馬鹿みたいな理由で改造したため重心が高くなり転覆しやすくなった可能性も否めないそうです。それが真実なら悔やんでも悔やみきれません。
この事故でマレーシア航空機はますます行方知れずになってしまってます。

投稿: にけねこ | 2014/04/30 01時04分

にけねこ<私は、改造よりも運用が悪かったと思っています。
あのガラガラの客室では、重量は余り増えていないように思う。

とすると、無理に積載して、貨物が重心を上げたのだと考える方が妥当。
重心の計算くらいしろよ、その確認も出来るぞ、大きな舵を取らせるな、危険な海域は自分でワッチに立て、船が傾いたら救命胴衣をきせて全員一番上のデッキへ上げろ!
これらは常識!
映像を見ると、救命筏が一つも開いていない→整備不良も甚だしい。
船会社の人命軽視の証拠だよ。
人を救うはずの幾つものステップがない。
私には全く理解できない状況。

マレーシア航空に乗っておられた方には同情しますが、もう、ダメかなと思います。発信器のバッテリーも切れていると言うし、
クアラルンプール空港を飛び立ったのは、あの事件の1週間前、思い出すと、ちょっとギクッとします。

投稿: Samson♪ | 2014/04/30 23時18分

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