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2013/08/06

昔話 89 シャワー

メキシコのユカタン半島から、マイアミ半島の南にあるキューバそっして、島々が転々と続くウィンドワード諸島、リーワード諸島と連なって、南アメリカのベネゼイラへ続く。これらに囲まれたのが、カリブ海。 パナマから、ここを北東に縦断するように針路を取って行くのだが、赤道無風帯を抜けていくのは、エンジンを使わないと何日もかかってしまうので、その日も照り焼ける暑い日差しを浴びながら、風のない穏やかな海を航進していった。 午前直が終わり、食事をしたあとは、20時まで非直である。 居室にいても うだるような暑さなので、何も手が着かず、少ない風を求めてデッキに上がった。
デッキでは僅かではあるが、風が少し吹いていた。
前方を見ると大きな雲が出来ていて、船の近くを通るように動いている。
風が段々と向きを変え、船を包み込んでくる。 スコールだ。 その下では激しく雨が降っている。
船と雲の動きを確認したら、大慌てで、部屋に石けんを取りに行く。
デッキに戻ったら、もう雪崩のような大雨が来ていて、慌てて服を脱ぎ、頭と体に石けんをなすりつける。
見ると、4~5人が同じようにはだかで雨に打たれている。
ついでに、褌も脱いで、褌にも石けんを付けて洗う。
こうなると褌は手ぬぐい代わり。 海水の塩分がこびりついている体には、泡も立ちにくいが、そこそこ洗えた。操舵室の上の屋根の雨樋が下に流れてくるところで、すすいで絞る。
降り始めから、止むまでの間はものの5分。
降り終わってから気が付いた。
タオルは持ってきていない。
手にした布で、体の大まかな雨水を拭き取る。
たった、一度5分ほどの遭遇ですが、フロになかなか入れない身には、有難い塩分のない天の水。 火照った体も冷ますことが出来、有難く雨水を堪能しました。
スコールの中では雨でなく、雪もあり得ると言うことですが、この時はベストな雨でした。

しかしながら、後日談があって、日本丸に海洋写真を撮ると言うことで便乗していたカメラマンに、天然のシャワーを浴びているところをしっかり撮られていた。 帰国後に写真集を見ると、日焼けしたずぶ濡れの笑顔の横に「このあと褌で顔を洗う」なんてコメントを付けられていた。
うげーっ!

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コメント

使用後は海へ葬る
と聞いたことがあるのですが、
これはデマでございますよね?
使用後は顔を洗う、
とか体を拭くんだ…

投稿: にけねこ | 2013/08/15 23時58分

にけちゃん<どんな下着だって、石けん付けて洗えば立派なタオル程度には鳴るでしょ?
で、最後はやはり、海のゴミとして(灰にして)捨てますね。
そのまま捨てたら、凄い環境汚染と言うことは、その時も理解していました。
空き缶は絶対にポイしませんでした。

投稿: Samson♪ | 2013/08/16 01時23分

綿100%の褌は
或いはお魚が食べるかも…
食べませんかね。
アルミ缶はそのままポイでは
自然に還るのに時間がかかりすぎます。
にけねこさんちの田圃にも
しばしば空き缶ポイされてます。
一般道に隣接する圃場はよくやられます。
ポイする阿呆の顔なんて見たくもないけど、
頭の中はどうなってるのかなと思います。

投稿: にけねこ | 2013/08/21 07時33分

にけちゃん<ポイ捨てする人には、どうなるという感覚はないのでしょう。 タダ、面倒だからと言うのが多いと思います。田畑だけでなく、公園やその近所の家もポイ捨ての対象に見られている気がします。
マナーのなさですね。 残念。

投稿: Samson♪ | 2013/08/21 22時13分

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