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2013/06/16

昔話 87 パナマ運河その2

大きなガツン湖というのが、地峡の狭い山間にあるのが一種、不思議である。
湖と言いつつ、大半は細い水路となっている。 10浬程は可航幅が広いので、その間、パイロットは少し休憩していた。 ただ、このような水路では、湖底の傾斜や浅い場所が随所にあり、操船に気は抜けない。 日本丸の平均吃水は5.3mであるから、最浅部12.5m湖底までは余裕があるが、航路から少し外れて浅いところに入ってしまうと、浅水影響と言われる現象で、どんどん舵を浅い方に取られ、操船が難しくなって、浅瀬に乗り上げることがある。 東京湾で1997年7月に起きたタンカー座礁事故も、少なからずこの影響があり、それ以外のところでも、座州の事故例を多く見ているので、侮れない現象である。 このため、パナマ運河通航中は、操舵を本来の乗組員がとる。
キャンバスで出来たバケツで、水をすくってみる。陽に暖められて、少し暖かい感じがする。 細かいことだが、ガツン湖は当然海水でなく、真水なので、海水の比重との関係から、船の吃水が13cm程深く沈む。 12.5mの吃水なら30cm沈む。 浅水影響でも更に沈む。危ないことこの上ないではないか、、そんな航法上の理論を考えつつも、船は狭い水路を進んで行く。
もうすぐガツン閘門につく頃、ふと気が付いた。 確かにガツン湖の湖水を閘門に落としてその閘門の水位を上げて、船体を上下させるわけであるが、閘門の登りも下りも、一回ごとに下の閘門内の水と混ざり合うわけだから、海水の一部が上の閘門に上がっていく。 海洋微生物も上のガツン湖に混ざり込んでいく。 なんてことだ、立派な湖水汚染じゃないか!
ガツン閘門では一気に3段の閘門で、大西洋の水位まで下げていく。
そこでまた疑問に出会う。 ほぼ同じ緯度・経度であるから潮汐力は同じはず。 でも、地理的な位置が太平洋の東端と大西洋の西端では、海水の移動時間差があるから、潮位は違うだろうな?
なんで こんなことばっかり考えるんだろう?
人類が作った大きな仕掛けの前で、私の頭の中は、せこい理科の問題で一杯です。

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コメント

湖水の汚染は気になります。
人類の偉業なんて
こんなものなのかなあと
思うことがございます。
それにしても
パナマ運河を航行した経験をお持ちだとは
羨ましいかぎりでございます。

投稿: にけねこ | 2013/07/07 06時04分

にけねこ<数学的には、1万分の1%にもならないと思いますが、僅かでも汚染と書いていますが、許容値レベルなのかな?
漸近線で、、、こんなことを計算しているよりも重要なことがいっぱいありそう。

投稿: Samson♪ | 2013/07/07 22時37分

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