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2012/10/08

昔話 79 故障

どんなに整備していても、機械は思わぬところで故障する。絶対と言うことは決してないだろう。あちらが故障しそうだと注意していると、こちらの方の思わぬ原因から折れたり、曲がったり、詰まったり、地震・津波・突風だと想定外の事も起こる。 きちんと整備している練習船でも故障はする。 そしてそれが起こった。
船には、必ず錨がある。錨があればそれを巻き上げる機械が必要で、ウィンドラス(Windlass=揚錨機)という。 チェーン(錨鎖)が引っ掛かる溝の彫られた大きな糸巻きと思えば良いかな? それのどっかにヒビが入ったとか。 こういう機械は当然機関部の担当で、エンジニアが修理するかと思いきや、このウィンドラスは甲板部の担当で、機関部はノータッチ。 航海関連の機械は総て甲板部、船の推進に使うエンジン(主機関)と発電機(補機関)、それに付随するものが機関部担当と割振りが決まっている。 これに昔は、事務部(パーサー)、司厨部(コック)、通信部、医務部(ドクター)などがあったが、通信部は無線の発達で不要となり、船に乗るドクターもいなくなっている。
今回の故障は深刻で、船の安全性が問われるため、即、修理に出すことになった。
チェーンをウィンドラスから外し、ウィンドラスの糸巻き部分を陸揚げし、陸で修理することとなった。
しかし、目的地での日程は決まっているので、逆算すると、今週末の5月28日(金)までに修理が終わり、ロスを出航出来ないと間に合わなくなるという。 目的地までは丁度1ヶ月必要で、途中の帆走は抜きにしての時間割である。 何故金曜日までか? 金曜日に終わらないということは、土日は作業員が休みで仕事が出来ない=次は月曜日の仕事、→ 6月1日の出航ということだ。
土曜日は半ドンだろ? というのが日本人的考えだが、この時のアメリカでは、土曜日は休みだった。
まだまだ、白人はエリートで、土日に働くのは、メキシコ人、黒人、アジア人という考えが強かったです。
学生からすると、、、ロスでの上陸休暇が増えた! といって喜んでいたので、まだまだ幼稚ですね。
心配したのは、目的地が変更になるかどうかだけ。 それも殆ど、きっと目的地はメンツにかけても行くはず、と高をくくってました。
結局、ウィンドラスの再積込みが金曜日朝から始まり、午後早くに修理が完了、夕方には無事出航となりました。
Wind2Wind1

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コメント

以前、にけちゃんが見せてもらったのは
ウィンドラスの動力部分だったのでしょうか?
長い航海の間、あってはならない故障ですが、
故障がない方が不思議な気がいたします。
とても過酷な状況におかれているのですから。
ご無事でよかったですね。

投稿: にけちゃん | 2012/10/10 22時16分

にけちゃん<よう!回復しましたね。
ウィンドラス揚錨機は、たいした故障じゃないです。なんて言うと怒られますけど。
マストと帆があれば、大抵のことは出来るハズですから、、、ハズですが、

投稿: Samson♪ | 2012/10/10 22時37分

そう言われればそうですね。
船の基本は舟で、
自然の力と生身の人力が動力なわけですよねー。

投稿: にけちゃん | 2012/10/16 10時42分

にけちゃん<速度は遅いが、立派に前に進みます。ただ、経済的かどうかは別ですがね。

投稿: Samson♪ | 2012/10/20 01時22分

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