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2012/09/23

「ウ」


[・・-] 疑う

鵜というと、長良川の鵜飼いで有名ですが、飼いと言いながら、漁なんですね。使っているのがウミウ、糞害で木が枯れてしまうのはカワウ、ウミウの方が大きい....というのでは、おもしろみが全然無い。 美味しい話に転換しましょう。
この私も若かりし頃がありまして、会社に入って2年もすれば、一丁前の口をきいたりします。
元来、単独行動の好きな私、一人で間に合う東京への派遣の仕事が多かった。 嫌いではないし、どっぷり船に揺られる道中があり、一種の役得と喜んでました。
私の仕事?
この言葉が当たっているかどうかよく知らないのですが、俗に言う沖仲仕(おきなかし)です。
あの頃は東京湾内に大きなブイが32個もあって、高い岸壁料を払わなくて済むブイ繋留もよく利用されていました。 必然的の交通手段は通船、会話手段は英語、衛生手段は船のトイレ、それが面倒な時は直接海に垂れ流す人もいた(貨物艙の中に自然の欲求を解き放つ不届き者もいた)。 荒くれ者が多い沖でのハードな仕事の後は、事務所に報告を上げ、駅に向かって帰る途中に細い路地があった。そこには少し不思議な一隅があり、立ち飲み屋の様相を呈していて、夕方5時頃から客が入り始め、7時には立つ場所がないほど混んでくる。 この店のウリは鰻の串焼き、それも細い一本串で、まるで焼き鳥サイズ。 昼は鰻丼なんかも出すのだが、一度も食べたことがないのは、言うまでもない(沖からはちと遠い)。 
当時、串焼きが100円でカシラが130円、酒が一杯150円ぐらいだったかな? とにかく安い、美味い。鳥の鵜の話よりは断然 鰻の「う」の方が良いでしょう。
どんなに混んでいても、大抵は少しだけ詰めてもらえる。そこにコップと皿が置かれればOK、こういう窮屈な時は、客同士が譲り合って、みんな「刺身」になります。 多分業界用語でしょうが、みんな体を斜めにして、まるで刺身の盛りつけのように並ぶんです。 これがサシミ状態。 沖の船での荷役(にやく)作業に艀(はしけ)を斜めに並べる所から来ています。
そして、お勘定は串の本数を数えて精算するものだから、勘定をごまかすために、わざと食べた串を下に落とす不届き者がいるんですね。 私が立ち寄る時はいつも4・5本路地に落ちていました。
美味しい鰻を食べて、飲んで、大体は千円でおつりがきた。 え?何で、私のような酒好きが毎日寄らないかって?
その頃、事務所の人から麻雀に誘われることが多かったので、帰る頃は終電間際、当然店は閉まってまして、しまった!また食べ損なった、とおもうことが多かったです。

[麻雀を知っている方へ、別のオチ] ルールは完全先付けなので、チーとも食えなかった。
オチが複雑でうまくなかったですね。
今は、この路地も整地され、鰻の店は別の所に移っちゃいました。そして当然椅子がついた鰻屋になって、串焼きは残っていても、昔の風情がなくなっちゃいました。 ある意味残念です。

→鵜よりもウまい鰻の「う」でした。

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