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2010/03/07

昔話 65 総帆展帆

さて、出航してから2日も経つと、学生達の訓練も質が上がってきて、つまりそろそろ帆の名前、役目、ロープの名前などが頭に入ってくる。
偏西風の風が良く当たるようになると、帆走に入ることとなる。

野島崎を離れれば、ここは大海原の太平洋。 行く手は何千浬も先がある。 
食事をし、腹も落ち着く午後一時、総員配置になった。 とりあえず、班毎に分かれて受け持ちのマストに行き、登艢の号令が掛かるのを待つ。 船長の合図に従い、士官がマストに上がる号令をかけた。 士官一人でマスト1本。 学生がマストを登り、ヤードに散っていく。そしてセイル(帆)を止めているバントラインを解き降りてくる。
これで、船が動き出すわけではない。
一番下のセイル(Course)やロワートプスル(Lower-tops'l)、ロワートゲルンスル(Lower-topgallans'l)などは良いが、やっかいなのが、アッパートプスル(Upper-tops'l)である。

76_mast


当然の事ながら、セイルを張るにはヤード(帆桁)に取り付けられたセイルの下の隅を引っ張ればよいと思うでしょうが、ここのセイルはヤードを持ち上げる事で帆を拡げるタイプである。 アッパートゲルンも同じであるが、そっちの方はまだ軽い。 10人以上でハリヤード(揚げ索)を引かないとヤードは上がっていかない。 もし、これで、風が強く吹いていたら、どうなるんだろう? 上がらないだろうな? イヤ、我々の息が上がった。

セイルが広がっても、のんびりとは構えて居られない。 すぐブレース(桁回し)を引けの号令が掛かるからだ。そして、最後にロープをコイルダウン(すぐのばせるように甲板にとぐろを巻かせる) ふと時計を見ると2時近くになっている。 重労働だ、風が首筋の汗を撫でてゆく。
今夜のビールはきっと美味いぞ、、、

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コメント

当時、登艢礼は見られても
展帆は見られませんでした。
船上には上がらせて貰えましたけど。
出航式が執り行われているというのに
あちこちうろうろしておりました(笑)。
実際にセイルドリルを見学して、
帆を張る作業が
どういう仕組みで行われるかを
ほんの少し知りました。
何でもそうなんですが、
考えた人はスゴイ!

投稿: にけねこ | 2010/03/09 22時07分

にけねこ<1トン近いものを人力で揚げるのだから、それはもう考えた奴を恨みますね。 このヤードだけは。
だからスクーナーのような縦帆の方が扱いやすいです。 なのに苦労させるためか横帆なんです。

投稿: Samson♪ | 2010/03/11 00時11分

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