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2010/03/14

昔話 66 回し方用意

この日本丸は横帆だから、斜め後から風が当たると帆走の効率が良い。
縦帆のヨットぐらい性能が良ければ、風上側にかなり切り上がれるのだが、横帆船の悲しさ、精々真横から1点(22.5゚)ほど風上側に切り上がればいい方であろう。 
横帆船は、動きの鈍い学生達が操作するのであれば、スピードを上げても、上手回し(タッキング)など無理であろう。

上手回しは、船の進行方向を変える一つの方法であるが、これは、帆を引き込んで その角度を真横近くにして切り上がり、無理矢理、船の針路を惰性をつけてそのまま風上に向けて行って、風の入り込む舷が反対に回った時、帆の向きを一気に反対側へ向けるのであるが、風に正対した時に、セイルは裏帆を打ち、風にしばらくの間押し戻されるような格好になる。
そして一気に6枚のセイルの向きを変えるのは、無理・無理・無理だろう。
カッターボートでは、ジブ(先端帆)を押さえて、楽にジャイブして回れたのに、。

これに対して、下手回し(ウェアリング)は、舵を風下側に回してグルリと一回転する方法で、危なげなく確実に船の向きを変えることができる。船の針路に合わせて、ゆっくり帆の角度調整もできるので、素人向けの技法。 ただし、風下側にだいぶ落とされるので、風上に切り上がってきた帆走の利得をかなり失うことになる。 だから、風下側に暗礁などの障害物があった場合は、下手回しなどできない相談となる。

ある時、後から風が吹いているのに、また針路を変えるという、士官同士のこそこそ話を聞いた。
"回し方用意、かかれ~!"と言う号令は聞きたくないな、、。 当直交代後にして欲しいね、まったく。
大海原の西の端で、まだ、航海を始めたばかりなのに、ブレースを引くだけでも重労働なのだ。 先が思いやられる。

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船の昔話」カテゴリの記事

コメント

船の大きさに対して人が小さいと、
それなりの帆が必要になるのだと
思っております。

葉っぱを使って作った帆掛け舟、
帆船の原点だなあ、
などと考えながら・・・。

人類の英知が集約されて、
あのように何十種類もの帆のスタイルが
生み出されたのでございますね

投稿: にけねこ | 2010/03/19 19時45分

にけねこ<うがった見方ですが、帆の種類は、三角形か四角形の2種類。(笑。
使い方は色々ありますがね、=^_^=
基本的には、空気から受ける力と、水から受ける力の合力で、船が動きます。この場では説明が難しいですが。

投稿: Samson♪ | 2010/03/20 23時29分

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