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2010/02/21

昔話 64 風呂と洗濯

帆船の水のタンクはたかが知れている。 容量は200トンあるだろうか?
「日本丸」に乗り組むのは、教官・士官が十数人、本来の乗組員が十名ほど、それにトレイニー練習生が80人ほどだから、総勢100人を少し超える訳だ。 100人の食事を作る時、米を研いだり野菜を洗ったりすると炊事だけで1トン以上必要でしょう。 航海予定と予備を考えると、2ヶ月、60日分は最低必要でしょう。 すると、一人当たりの使える水は少ない。
飲み水だっているし、風呂や洗濯も、、、
優先順位は、飲み水、食事用、歯磨きなど、風呂、洗濯、トイレ、、、、と言った順だろうか? その中で海水でも良いのは、トイレとお風呂か? 

現実は、トイレの流しは当然海水で、風呂も海水であるが、上がり湯は清水でないと体がべとつく。 そこでお風呂の浴槽の脇に上がり湯用の水槽(お湯)があり、洗面器で汲んで、頭に少しかけてシャンプーする。 次には頭に海水をかけて流し、その後、清水で流す。 そして体に少しずつかけ、最後に手ぬぐいを洗って、体を拭く。 バスタオル?そんな贅沢なものありませんョ。 これらの入浴の一連の流れでは、何人か同時に入るので、清水の使用量は相互に監視している。 洗面器3杯も使おうものなら、罵声が飛んでくる。 後のほうになると、水槽の底の方にわずかに残った水を必死ですくい上げることとなる。

そんなお風呂も週3回(だった気がする)。 2日以上お風呂が入れないで過ごす。 入浴の曜日と時間が決まっているので、その時にワッと入る。 ワッチで疲れたと言って、入らないと臭い体がプーン、鼻つまみ者になる。

そして、洗濯は日曜日にある。 班毎に時間が決まっていて、大きなタライに水を40~50リットル入れて、その水に浸した後は、石けんをつけてもみ洗いやら、洗濯板を使う者、デッキの上で踏み込んだりして洗う。 すすぎもタライの水を使うが、次第に汚れてくるので、必ずしも綺麗な水ですすげるとは限らない。 最後はドロのようになり、新しい水のタライに切り替えることになる。
そのタライも全部で6個、これが学生に割り当てられた量だから、一つのタライで13~15人が使う計算である。 合わせると約300リットル=0.3トンの消費である。
水の大切さをしみじみと味わう帆船での航海である。 現在の船の多くは、海水から清水を作る造水器が装備されており、清水の使用制限などあまりないが、帆船に乗り組むのは、この水の大切さを学ぶことも一つの目的と思う。

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コメント

湯水のように使う、
という言葉がございますが、
湯水のように使えないのが、
水でございます。
にけねこの住むあたりは、
特に水には恵まれております。
本当に有り難いことです。
おまけに美味しいし。

投稿: にけねこ | 2010/02/22 21時58分

にけねこ<水道をひねれば飲める水が出てくるというのは、先進国での当たり前ですが、水を汲みに小さな子が毎日何㎞も歩く国もある。
水の大切さがよく判る航海でした。

投稿: Samson♪ | 2010/02/23 00時15分

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