昔話 50 ボンド品
最初ボンドと聞いた時は、007か接着剤?などと連想しましたが、これは免税品のこと。
外国への航海中は、船の資格変更を行い、国内から外航資格へと変わる。
資格が変わった時から、船そのものが外国扱いだから、その船中で消費するものには国内の税金は当てはまらない。
特に、たばこには たばこ税、アルコール類には酒税がかかっていますが、それが無料になる。
言ってみれば外国へ行った時に免税店で買い物して、日本に持ち込んだ時に個人使用分は無税扱いになるのと同じことである。
ただし、航海期間が少ないので、一人頭の購入可能な量は一日あたり缶ビール1本とたばこ一箱。飲んべえや、ヘビースモーカーは飲まない奴、吸わない奴の割り当てを使わせて貰う。 少ない小遣い、これだけでも助かります。 一気にビール2ケース、たばこ4カートン、あの頃、缶ビールが100円ちょっとで買えるなんて、素晴らしいです。
ただ、飲みきらないと日本への持ち込み時に税金がかかるという、、、そんなことはまず無いですね。 入学して4年、飲めない奴も偶にはいますが、ほとんどが飲んべえに生まれ変わってしまったようです。
日本到着時にかろうじて残っていた無税の酒も、翌日の税関検査の前には、残ってないョ。
流石。
税関の審査が終わると、晴れて内航資格の船となり、船陸の通行が自由になる。
そして、おおっぴらに、桟橋の袂にある電話に駆けつけ、電話することになる。
「お母ちゃん、金がなくなったので、送ってくれへん?」ってなもんである。
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コメント
なんであんなに見事に
のんべえに生まれ変わるのか、
それとも、才能が開花させられるのか、
他に楽しみがないのか…。
痛ましいくらい。
投稿: (=^・^=) | 2009/08/17 18時12分
にけねこ<才能が開花するのでしょう。
飲めない人がドンドンのんべぇに変わっていく。
魔法のようです。
投稿: Samson♪ | 2009/08/18 22時48分