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2005/12/26

昔話 18 繰練

船員法では、乗組員などが入れ替わった時、もしくは月に一度、船長は繰練を行うという規定がある。

繰練というのは、決められた配置に全員をつかせ、救命艇などをおろして、船から退船する練習などのこと。

予め、スケジュールでわかっているとはいえ、いきなり、汽笛が鳴ると驚く。 私の記憶では短音3声の後、長音1声(一つが3秒以上)だったと思う。

そのあと、スピーカーから

「繰練繰練、火災発生。火元は上甲板ギャレー付近。消火配置につけ、、、、」とがなり立てる。

われわれは、帽子の上からヘルメットをかぶり、外に飛び出す。

しばらくすると、スピーカーが

「繰練繰練、延焼拡大のため、総員待避、各自退船用意、、、、」

汽笛はもっと大きく長音5声。

実習生はのんびりと自分の割り振られた救命艇に、、、

「こらー、何トロトロ歩いとんのや! 急げ!」と士官の檄が飛ぶ。

最初の船は廃船間近の「銀河丸」、救命艇も旧式のもの。人力でギアをエッチラオッチラと回す。

舷外まで救命艇を降り出すのも一苦労。丁度5mの棒の先に救命艇をつけて、それを60度ほど回す感じ。

救命艇が海水の上に着水するのは、最初から30分以上かかった頃。

(こんなんで、いざという時、助かるのかな?)

学生にとっての繰練は、実にのんびりとした緊迫感のないものでした。

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