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2005/11/26

昔話 17 夜航海

夜の航海は幻想的なところがある。
一つには、夜光虫。
乗船するまでは、夜光虫なんてどんなものか判らなかったが、いざ見てみると美しい。
船首が海を切り裂いていくと、白い波が立つ。
その白い波の中に、キラキラと光る砂が見えるようだ。これが夜光虫である。
じっと見つめていても飽きない、それどころか波の中に吸い込まれていくような錯覚も起きる。
沿岸を航行していると、遠く水平線上に、街の灯りが明るく見える
灯台はその明るい中でも、ピカッ、ピカッと場所を教えてくれる。
こんな時に船の位置を求めるんですね。

P0050 ジャイロコンパスのリピータで、灯台の方位を測る。
それは、リピータ盤の上に立てたシャドウピンと灯台の位置をあわせ、そのまま盤の方位を読み込む。
一瞬だけ明るくする盤を片眼で読み込むのだ。読み込んだ数字は頭の中にしまい込む(メモなんて取らない)。4つぐらいの灯台を読み込むのだが、普通3つまでぐらいなら数字を覚えていられる。 そこで、4個目は目で数字を覚える。
その後、明るい海図室に行って方位線を描いて船の位置を求める(直線が交わったところ)。

海図室をでる時に、やっと瞑っていた片方の眼を空ける。
船橋も暗いので、明るい眼になれていたら、ものが全然見えないのだ。 そこで、片眼を瞑って片方の眼だけは、暗闇に慣れさせておくわけだ。
目が慣れていないと、人にはぶつかるし、下手すると相手船が見えなくて船をぶつける可能性もあるからね。
そんな状況だから、当直中にサボって船室へ戻り、コーヒーやおやつなんかを食べてきたヤツはすぐ判る。
大体が長い間、片眼を瞑っていられない。 どうしても眼が暗闇に慣れないので、混み合った船橋ですぐ人にぶつかる。

そんな時、士官は、
「おや?コーヒーの臭いがするぞ、どこ行ってきたんだ?」
と、よくカマをかける。
練習生もよく心得たもんで、
「ちょっと、お腹の調子が悪くて、トイレへ」
と誤魔化そうとする。
<この時点でばれてますよ!>
「コラー!、そんな時は、ちゃんと断ってから行け!!!」(- -;)コラコラー!
  間 「で?何喰ってきたんだ?」

士官だってサボりたいんですネ!?

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